コレクティヴと考える―パンデミック以降の地域文化活動の可能性
オンライン・トークのアーカイヴ映像や、コレクティヴちっごの活動記録などを、順次公開していきます。
「コレクティヴちっごPRESENTS 真冬の汽水域」を九州芸文館で開催いたします。
5月から8月にかけて実施した「コレクティヴちっご」では、参加者がインドネシアのコレクティヴの活動事例なども参考にしながら、筑後地域に自分たちのコレクティヴをつくることを試みました。参加者は月に3回顔を合わせ、おしゃべりをすることで、筑後の風土や文化への理解を深め、自分たちがどのように地域文化に関わっていけるのかを考えました。プロジェクトの開始時点では、明確なゴールさえ設定されていないゼロからのスタートでしたが、参加者一人ひとりの想いが、コレクティヴちっごを実践的な活動の場へと導き、最終的には地域文化の担い手たちへの取材を通じて、人々をつないでいくという活動へと進展していきました。
本企画は「コレクティヴちっご」のこれまでの歩みと実践活動をご紹介するものです。取材成果の公開はもちろん、ワークショップなどのイベントも開催します。
2019年末から爆発的な広がりを見せた新型コロナウィルス(COVID-19)によって、世界は瞬く間に変化してしまいました。移動や外出が制限され、人が他人と会うという日常的な行為は、今や安心してできることではありません。
このパンデミックは、近年、交流や関係性を創出させる取り組みが多く見られる現代美術の領域においても、作家の活動に大きな影響、そして制約を与えています。また、多くの国際展覧会も中止になり、博物館や美術館もその活動の制限を余儀なくされています。この状況下で、これまで、オリジナルであることや、直接的な体験がその価値を担保してきた美術には、何ができるのでしょうか。
インドネシアのアート・コレクティヴであるルアンルパ(ruangrupa)がドクメンタ15の芸術監督となったことに象徴されるように、近年、美術界ではアート・コレクティヴの活動が大きな注目を集めています。人々が集まり、アイディアを共有し、時には美術の領域をはみ出して協働することによって、交流や関係性を生み出し、可視化してきたコレクティヴたち。「集まる」ことを活動の核としてきた彼らは、コロカ禍におけるこれからの人と人との交流をどのように捉えているのか。地域のコミュニティはどのように創造、維持されていくのか。国を越えた移動もままならないこの状況で、国際的な交流はどのように可能になるのか。
本企画では、こうした問題意識の下、今や非日常になってしまった、人が「集まる」ということを主要なテーマとし、インドネシアの8組のコレクティヴと専門家による連続トーク、そしてオフラインで進行する井戸端会議企画「コレクティヴちっご」を通して、コロナ禍における人々の交流とアートの可能性を探ります。
「ちくごJR芸術の郷」事業団
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